中古車販売大手の旧ビッグモーター(BM)から保険金不正請求への対応を引き継いだBALM(バーム、東京都多摩市)は31日、11月から保険契約者への補償を始めると発表した。これまで被害を受けた保険契約者へ補償する方針は示していたが、開始時期は明らかにしていなかった。
11月から保険契約者に対して、補償について順次案内する。顧客に説明した修理内容と実際の作業が異なっていた場合、その差額を支払う。同社は「過去に不適切な行為を行ったことを真摯に反省し、損保会社の協力を受けながらできる限り対応していく」とコメントした。
旧BMでは車を修理する際に工具などで車体やタイヤを傷つけるなどして、損保会社に保険金を水増し請求する不正が横行していた。保険契約者は必要のない修理によって等級が下がり、保険料が上がるといった被害も受けた。等級の見直しは損保会社が進める。
旧BMは損保会社からの要請を受けて23年8月に外部調査委員会を立ち上げ、不正が疑われる案件の全件調査を進めてきた。
保険金不正請求など一連の不祥事で経営不振に陥った旧BMは再建に向け、5月に会社分割した。不正請求への対応を引き継いだBALMは残された書類や画像から不正請求だったかを判断することは難しいと判断し、7月に全件調査を打ち切った。
それまでの調査で得られた資料をもとに、裁判所での調停を通じて幅広い被害者に早期補償するための方法を損保会社と協議していた。
中古車販売事業を伊藤忠商事や企業再生ファンドのジェイ・ウィル・パートナーズ(JWP)が譲り受け、新しく設立したWECARS(ウィーカーズ、東京・千代田)が継承した。
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