アステラス製薬は30日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比2.9倍の500億円になりそうだと発表した。従来予想から200億円上振れする。主力の前立腺がん治療薬「イクスタンジ」をはじめ戦略製品の販売が好調に推移する。為替の円安も利益を押し上げる。
売上高にあたる売上収益は12%増の1兆8000億円と、計画から1500億円上方修正した。製品販売の伸びが1200億円の増収要因となる。イクスタンジの売り上げは適応症の拡大で15%増の8597億円と、当初計画に比べ1027億円増える。
米国を中心に、次世代の主力薬として期待される尿路上皮がん向け治療薬「パドセブ」や眼疾患治療薬「アイザーヴェイ」の販売も計画を上回るとみる。同日のオンライン決算説明会で岡村直樹社長は「(パドセブなどの)重点戦略製品は売り上げ拡大に大きく貢献する成長段階に入った。イクスタンジの独占販売期間満了による売り上げ減少を補える規模にできる確信も高まっている」と自信を見せた。
通期の想定為替レートを1ドル=149円と想定から4円円安に見直し、約300億円売り上げが増える。通期の減損損失リスクとして600億円を想定しており、これに満たなかった場合は利益が上振れする可能性がある。
同日発表した24年4〜9月期の連結決算は、売上収益が前年同期比22%増の9356億円、純利益が2倍の735億円だった。イクスタンジなどの販売が好調だった。
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