決算発表会見に臨む清水社長(30日、名古屋市)

大同特殊鋼は30日、2025年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比8%減の280億円になる見通しだと発表した。従来予想から50億円下方修正し、一転減益となる。半導体市況の本格回復時期が想定より遅れており、半導体製造装置向けステンレス鋼など関連受注が下期に伸び悩む。

売上高にあたる売上収益は微増の5800億円を見込み、従来予想を200億円下回る。自動車向けの特殊鋼鋼材は中国での日系自動車メーカーの販売不振や認証不正問題に伴う自動車生産減少の影響で受注が減少する。年間配当予想は47円を維持する。

同日、名古屋市内で記者会見した清水哲也社長は「工作機械など産業機械関連の需要も足踏みが続いている」と話した。

同日発表した24年4〜9月期の連結決算は、売上収益が前年同期比1%減の2834億円、純利益が3%増の121億円だった。主要原料の鉄スクラップ価格が落ち着いた影響もあり利益を確保した。航空機エンジン部品や石油掘削ドリル部品などを特注仕様で作る「自由鍛造品」は好調だった。

30日の東京株式市場で大同特殊鋼株は大幅反落し、午前終値は1244円と前日比6%下げた。

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