アマゾンジャパン(東京・目黒)は30日、配送事業の起業支援を始めたと発表した。物流ノウハウや財務管理などを学ぶ12週間の研修プログラムを無料で提供し、業界経験がなくても起業できるようにする。パートナーとなる配送業者を育成し、配送量の増加やドライバー不足に対応する。
アマゾンは、数十社の中小配送企業でつくる「デリバリー・サービス・パートナー(DSP)」に物流を委託している。研修を通じて起業してもらい、DSPの一員になるよう依頼する仕組みだ。
6月に試験的にプログラムを始めたところ、業界の未経験者を含む約10人が参加した。計画の具体性や適性などをみて約6割の参加者にアマゾン側がDSPとしての起業を依頼した。2025年初から本格的に始め、年2回の実施を予定する。
アマゾンは大手宅配事業者の値上げやドライバー不足を受け、自社の物流網を強化している。19年には個人事業主のドライバーと契約する「アマゾンフレックス」を始めた。新プログラムは起業による売り上げ拡大を目指すアマゾンフレックスのドライバーの参加も想定する。
同日、日本経済新聞などの取材に応じたDSP事業の河合麻衣子シニアマネージャーは「『ラストワンマイル』自体に関心はあるが、事業として始めることにハードルを感じる人は多い。未経験者や業界外からの参入を増やし、物流業界が発展するきっかけをつくりたい」と説明した。
【関連記事】
- ・Amazon、エコな16万点に専用マーク 格安中国勢と一線
- ・Amazonの最新物流拠点、自走ロボで作業員の負担軽減
- ・Amazon、翌日配送を拡大 配送の中継拠点24年に3割増
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。