シマノの24年12月期は為替差損による最終減益を見込む

シマノは29日、2024年12月期通期の連結純利益が前期比8%減の560億円になる見通しだと発表した。26%増の770億円としていた7月の従来予想を下方修正した。対ドルでのアジア通貨高を受け、ドル建て取引で見込まれる為替差損を織り込んだ。年間配当は309円(前期は285円)とした従来予想を据え置く。

同社はアジアでシンガポール、マレーシア、中国に工場を持ち、それぞれドル建てで製品を販売している。8月以降に各国の通貨が対ドルで上昇しており、現地法人の利益が押し下げられる。

一方で24年12月期の売上高見通しは前期比5%減の4500億円とした7月の従来予想を据え置いた。中国で高価格帯の自転車部品の販売が好調で、業績自体は底堅く推移している。

同日発表した24年1〜9月期の連結決算で純利益は前年同期比31%減の413億円となった。売上高は11%減の3348億円、営業利益は30%減の506億円だった。

あわせて現在実施している自社株買いについて、従来からの東京証券取引所における立会外取引に加え、東証での市場取引でも株式を買い付けると発表した。「(株主還元などの)資本政策をより機動的に実行するため」(同社)という。取得期間は24年4月24日から25年3月31日までで、取得株数と取得総額の上限はそれぞれ100万株、260億円に設定している。

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