百貨店各社が2025年の初売りに向けた福袋を相次いで発表した。物価高を受けて消費者の節約志向が強まる中、格安で味わえる高級焼き肉や高級果物といった食品の詰め合わせなどお得さを前面に打ち出した福袋が登場する。元日や1月2日を休業にする百貨店が相次ぎ減収も予想される中、節約シフトの福袋で集客する。
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そごう・西武は、そごう大宮店(さいたま市)で焼き肉10万円相当を楽しめる「叙々苑満腹福袋」を2025円で販売する。西武渋谷店(東京・渋谷)やそごう横浜店(横浜市)などではイチゴやリンゴ、柿などを詰め合わせた「贅沢フルーツセット福袋」(5400円)を用意した。
松屋では銀座店(東京・中央)で、「〜生活応援!〜」と銘打った缶詰や餅など8000円相当の食品を詰め合わせた福袋を3240円で販売する。2130円相当の和洋菓子セットとさらにお菓子をスコップで3回すくえる福袋(2025円)や最大2万円相当の賞品があたる「食の福ガチャ」(5000円)など、ちょっとした体験サービスを加えた福袋もそろえた。
東武百貨店は値ごろ感が目立つ。消費者に人気のサブスクリプション(定額課金)型の商品を複数用意した。「パンのサブスク福袋」(1万円)は60日間、324円以下のパンを1日1つ店頭で選べる。「よりどり福袋」(6万円)は好きなフルーツやゼリーなどを25点選べ、組み合わせによっては総額12万円以上の商品を購入できる。計4キログラムで8万円相当の高級牛肉を集めた福袋は5万円で売り出す。
高島屋は各店で豪華客船のクルーズ旅行福袋(405万円)を抽選販売する。通常は別料金となる韓国での寄港地観光ツアーをセットにしたほか、出発前に船内での過ごし方やドレスコードなどについてクルーズライターの上田寿美子氏に個別相談できる特典も加えてお得さを出した。
百貨店では元日や1月2日を休業にする動きが相次いでいる。初売りが遅れることによって百貨店各社の減収要因となり、福袋の市場規模も縮小するとの見方がある。そごう・西武は25年、改装中の安全確保を目的に西武池袋本店(東京・豊島)での福袋販売を見送る。各社が知恵を絞った需要喚起策の重要性は例年より高まりそうだ。
(米田百合香、稲福祈子)
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