調印式に臨む成蹊学園の江川雅子学園長㊥や清水建設の新村達也副社長㊧ら(23日、東京都武蔵野市)

成蹊学園(東京都武蔵野市)や清水建設などは23日、学園キャンパスの電力消費などによる二酸化炭素(CO2)排出を減らすための連携協定の調印式を開いた。IT(情報技術)システムや3次元モデルを活用して施設管理をデジタル化し、施設の利用状況に応じた最適化や省力化を進める。施設で集まるデータをサステナビリティー教育に生かす。

成蹊学園と清水建設、三菱地所設計の3者が連携し、キャンパスの各建物の空調や照明などのエネルギー消費の分析・改善や建物情報のデジタル化に取り組む。

新型コロナウイルス禍を経て建物の換気が習慣となり、使われない部屋の空調効率が従来より下がることもある。センサーやカメラを使って人流や施設の利用状況を把握し、利用者の安全と快適さを保ちながら省エネを進める。成蹊学園の江川雅子学園長は「学園全体のエネルギー管理をより効率化し、環境負荷を減らす」と語る。

センサーやカメラを使って人流や施設の利用状況を把握し、快適さを保ちながら省エネを進める(23日、東京都武蔵野市)

清水建設は事務所や研究施設など5棟の建物で構成する東京都江東区内の自社拠点などで知見を磨いており、建物群の管理に役立てる。新村達也副社長は「キャンパスには様々な建物があり、それぞれのエネルギー情報をクラウドで一括管理する余地がある」と語る。

三菱地所設計は大丸有(大手町・丸の内・有楽町)エリアの建物の3次元モデルを活用するなどのノウハウを持つ。建物の図面や設備情報など個別に管理されていたデータを一元化し、成蹊学園の職員の負担も減らす。

成蹊学園傘下の成蹊大学は26年4月に新学部の開設を目指しており、サステナビリティー分野の専攻を設ける予定だ。キャンパスのモデルやエネルギー消費のデータ、人流データを大学運営のほか研究や学生活動に役立てる仕組みを探る。

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