住友金属鉱山と三菱商事は30日、オーストラリアでニッケル鉱山開発の事業化に向けて調査を始めると発表した。両社は調査の進捗を見ながら、段階的に約100億円を投じる。2025年後半にも調査を完了し、生産開始は30年ごろを見込む。生産するニッケル原料は日本に輸送し、電気自動車(EV)などの電池材料向けとして精錬する。
豪探鉱企業のアルデア・リソーシズが開発中の豪西部のカルグーリー・ニッケル・プロジェクトで、グーンガリー・ハブ地区を対象とする。住友金属鉱山が8割、三菱商事が2割の比率で出資する共同出資企業が、アルデア社の調査子会社の株式の半分を取得する見通し。
同地区からは40年以上にわたりニッケル3万トン、コバルト2千トン分の鉱石生産の採掘が期待されている。日系2社はこのうち75%の生産物の権益を得る。
住友金属鉱山はニッケルの含有量が少ない鉱石からも原料を安定的に取り出す技術を持つ。取り出した原料は愛媛県と兵庫県の工場で精錬する予定だ。同社の足元のニッケル生産量は年約8万トンで、新たな権益獲得により生産量が2割増える。長期ビジョンでニッケル生産量15万トンを掲げており今後も規模拡大を目指す。
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