厚生労働省が30日に発表した2023年度平均の有効求人倍率は、前年度から0・02ポイント下がって1・29倍だった。低下は3年ぶり。

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 コロナ禍からの経済活動の回復に伴って飲食や旅行関連を中心に雇用情勢が回復してきたが、採用が一巡。原材料価格の高騰などを受け、製造業や建設業の求人が減少したことも響いた。

 有効求人倍率は、全国のハローワークに登録する求職者1人に何件の求人があるかを示す。23年度の月平均では、有効求職者数が約192万人(前年度比0・1%減)、有効求人数が約247万人(同1・6%減)だった。

 一方、足元では、3月の有効求人倍率(季節調整値)は1・28倍で、前月から0・02ポイント上がった。上昇は16カ月ぶりだが、改善の動きは鈍い。有効求職者数は約194万人(前月比1・9%減)、有効求人数は約251万人(同0・9%減)で、求職者の減少率が求人の減少率を上回ったため、結果的に改善した。

 厚労省の担当者は3月の求職者の減少について、「転職を防ぎたい企業が福利厚生を充実させるケースが見られるほか、賃上げ機運の高まりで転職を思いとどまる傾向がある」と説明する。

 また、総務省が同日発表した23年度平均の完全失業率は2・6%で、前年度から横ばいだった。3月(季節調整値)も前月と同じ2・6%だった。

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