猛暑でエアコンの買い替えが進み、白物家電の出荷額が伸びた

日本電機工業会(JEMA)は22日、4〜9月の白物家電の出荷額が前年同期比2.5%増の1兆3440億円だったと発表した。全国的な猛暑でエアコンの出荷が好調だったほか、製品単価の上昇も寄与した。インバウンド(訪日外国人)の増加により、電気シェーバーやヘアドライヤーなどの理美容家電も伸びた。

4月から全国各地で真夏日を観測するなど猛暑だったこともあり、エアコンの買い替えが進んだ。JEMAは「巣ごもり需要の反動減が継続しており期初の見通しでは前年同期並み程度と想定していた。エアコンの出荷が好調で他製品の落ち込みをカバーした」と説明する。

製品別では、エアコンの出荷額が前年同期比9.4%増の5049億円だった。ジョンソンコントロールズ日立空調は「(上期の出荷業績は)なかなか好調だった。従来は7月に最も出荷が伸びるが、2024年は4〜6月に需要が大きかった」と話す。

電気シェーバーやヘアドライヤーなどの理美容家電も好調だった。ヘアドライヤーの出荷額は前年同期比13.4%増の250億円、電気シェーバーの出荷額は同19.7%増の264億円だった。「24年度に入ってから外国人観光客がお土産に買う効果があらわれてきた」(JEMA)とする。

製品単価の上昇も出荷額の増加につながった。パナソニックホールディングスは9月にヘアドライヤー「ナノケア」の新製品を発売した。価格は8万5000円前後と従来機種(3万9000円前後)の約2倍となる。

エアコンや理美容家電が順調に伸びるなか、冷蔵庫や洗濯機は出荷が減少した。冷蔵庫の出荷額は同7.8%減の2135億円で2年連続のマイナスとなった。洗濯機は同5.6%減の1903億円だった。「上向き材料も乏しく出口が見えない。しばらくはマイナス基調が続くだろう」(JEMA)とみる。

同日、9月の白物家電の出荷額は前年同月比2%減の2054億円だったと発表した。2カ月連続でマイナスだった。全体の出荷額をけん引するエアコンの出荷額は前年同月比4.5%減の524億円で伸び悩んだ。冷蔵庫の出荷額は同13.1%減の357億円、洗濯機の出荷額は同3.1%減の366億円だった。

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