年間購入額100万円以上の得意先が利用できるカジュアルなラウンジ(21日、福岡市)

博多大丸(福岡市)は、大丸福岡天神店(同市中央区)で新たな外商サロンを26日に開業する。百貨店としては九州最大級の広さで、地元産天然石を用いて安定感を演出した。メークなどをしてもらえるビューティーサロンを新設したほか、資産運用などをテーマにしたセミナーも開き、40〜50代を主とした富裕層の取り込みを狙う。

新サロンは東館5階にあり、お得意様営業部の顧客が利用できる。名称は「Kujaku Salon TENJIN」で、21日に内覧会を開催した。面積は562平方メートルと、百貨店の外商サロンとしては九州最大級。「五感を満たすラグジュアリー空間」をコンセプトに、九州産の御影石などの石材を床や壁に用いることで、落ち着きを表現した。

年間100万円以上を購入する得意先が入室できるカジュアルなラウンジのほか、さらに上位の顧客向けにイベントエリアを備えた専用ラウンジや個室を用意。首から肩まわりなどを対象にした「デコルテマッサージ」やメークなどが受けられるビューティーサロンと授乳室も設置した。

上位顧客向けラウンジは御影石をふんだんに用いている(21日、福岡市)

同店の立地エリアは福岡市が主導する施策「天神ビッグバン」により再開発が進んでいる。企業の誘致に伴う就業人口の増加や高級ホテルの開業など、百貨店にとって商機が膨らむ。同社は新サロン開業をきっかけに顧客層のさらなる取り込みと若返りを図りたい考えだ。来年度には現代アートを強化したアートギャラリーを併設する。

博多大丸は売上高のうち外商が占める割合を、現在の25%前後から26年2月期までに3割へと高める目標を掲げる。村本光児社長は「外商のお客様のライフスタイルは従来の自宅訪問型から変化している。ゆったりと買い物して疲れを取り、セカンドハウスのように利用してもらえたら」と話している。

博多大丸は大丸福岡天神店の外商サロン改装を通じ、40〜50代の富裕層を開拓する(福岡市)

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