石油化学工業協会(東京・中央)は17日、化学製品の基礎原料であるエチレンの生産設備の9月の稼働率が80.2%(速報ベース)だったと発表した。好不況の目安とされる90%を26カ月連続で下回った。石化協にデータがある1991年以降でみると、2011年10月から13年11月までに記録した最長期間に並んだ。中国の増産影響などで低迷が長期化している。
エチレンは自動車や家電など耐久消費財や日用品などに使う合成樹脂の原料となる。9月の生産量は前年同月比9.7%減の38万9700トンだった。前年はなかった定期修理の設備があったほか、トラブルによるエチレン生産設備の停止などが響いた。
主要4樹脂(低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン)の出荷量は夏季休暇があった8月に比べれば増加したものの、4種類全てで前年同月を下回った。
中国の設備増強の影響と内需低迷で低稼働が続いており、化学各社の間ではエチレン生産設備の集約に向けた動きが進んでいる。三井化学と出光興産は千葉県で27年度に出光側を停止し三井化学の設備に集約する方針で25年度下期に最終決定する。西日本では旭化成、三井化学、三菱ケミカルグループの3社が生産体制の最適化も含めた検討を進めている。
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