日本通運は16日から日産自動車が取り扱う自動車部品について、国内輸送の一部をトラックから鉄道に切り替えた。中国などから海上コンテナで輸入した部品を横浜市内の貨物駅から鉄道で運び、栃木県にある日産の工場まで届ける。トラック運転手が不足する「2024年問題」が広がるなか、輸送網の鉄道シフトを進める。
JR貨物グループの神奈川臨海鉄道(川崎市)と組み、日産が手がける電気自動車(EV)「アリア」の生産に使う輸入部品を鉄道で運ぶ。運行区間は横浜本牧駅(横浜市)と宇都宮貨物ターミナル駅(栃木県上三川町)を結ぶ約143キロメートル。40フィートコンテナを1日2本、週5回のペースで輸送する。
トラック輸送を鉄道に切り替えることで、二酸化炭素(CO2)排出量を年間140トン減らせると見込む。オペレーション上の課題や自然災害に伴う線路の寸断リスクなどを踏まえながら、25年度以降に輸送本数を増やせるよう検討する。
日通の鉄道輸送による収益比率は6%程度にとどまる。同社の杉山千尋副社長は16日の出発式で「海上コンテナの鉄道輸送力の拡大に向けてJR貨物などにも働きかけながら、(東北など)北方エリアを中心に長距離輸送を広げていきたい」と話した。
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