Jパワーが再生エネ事業者の買収に踏み切るのは初めて(北海道苫前町の風力発電所)

Jパワーは12日、オーストラリアで再生可能エネルギーの発電を手掛けるジェネックスパワーを買収すると発表した。買収額は3億5100万豪ドル(約350億円)。Jパワーが再生エネ事業者の買収に踏み切るのは初めて。主力の石炭火力発電事業に逆風が吹くなか、太陽光や風力など脱炭素電源の開発を急ぐ。

12日付で買収の手続きを進める合意書を結んだ。Jパワーはジェネックスの株式を7.7%所有しており、既存株主から株式を買い取り完全子会社化を目指す。買収完了は裁判所の承認などを経て7月を見込む。同社は豪州で計10万キロワット規模の太陽光発電や蓄電設備を運営し、2023年6月期の連結売上高は2500万豪ドルだった。

Jパワーは20年にジェネックスに出資した。Jパワーの技術者を派遣して揚水発電所の建設を共同で進めたほか、両社の出資会社を通じて最大20万キロワットの風力発電所の開発を進めるなど関係を深めてきた。今後はジェネックスの開発力を生かして、再生エネ電源の開発スピードを速める。

Jパワーは海外での発電事業に力を入れており、豪州を米国やアジアに並ぶ重点地域に位置づける。電源構成の4割を占める石炭火力への批判が高まるなか、脱炭素電源の一つとして海外の再生エネを拡大する。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。