米投資ファンドのベインキャピタルは11日、富士ソフトに対して法的拘束力のある買収計画を正式に提案したと発表した。同社の賛同を得られれば、10月下旬をメドに1株あたり9450円でTOB(株式公開買い付け)を始める。富士ソフトは進行中の米KKRによるTOBに賛同しているが、ベインの提示したTOB価格はKKRを7%上回っており、富士ソフトの対応が焦点となる。
買い付け予定数の下限は設けない。約6400億円を投じて全株取得を目指す。富士ソフトの11日終値は9000円だった。創業家の株主はベインによる非公開化に協力する意向という。
富士ソフトを巡っては、米KKRが9月5日から買い付け価格を1株8800円とするTOBを始めた。TOB期限の10月21日までに発行済み株式の53.22%とする買い付け下限に達しないと成立しない条件だった。
ベインはKKRのTOB価格を5%程度上回る提案を7月に出し、10月にも法的拘束力のある正式なTOBを提案する方針としていた。
富士ソフトは法的拘束力がないことからKKRのTOBへの賛同を続けていた。
ベインの提案を受けて、富士ソフトの株価はKKRのTOB価格を上回って推移している。そこでKKRは幅広い株主に売却を促すため、進行中のTOBについて買い付け予定数の下限を撤廃し、2段階で進める方法に切り替えた。富士ソフトはKKRの1回目のTOBを対象に、賛同と株主への応募推奨を表明している。
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