オンラインで取材に応じる米ペンシルベニア大のヘスース・フェルナンデス・ビジャベルデ教授=8月(共同)

 【ブリュッセル共同】日本の成長率は、働き手の減少を考慮すれば驚くほど良好―。米有力大学の研究者らがこんな調査結果を明らかにした。日本経済は長く停滞が続くが、実質国内総生産(GDP)を人口当たりではなく、働き手の中心となる世代に焦点を当てて分析すれば「日本はうまく対処してきた」と評価。成長には少子化対策が最も重要だと助言した。

 米ペンシルベニア大のヘスース・フェルナンデス・ビジャベルデ教授ら3人が発表した。先進国で高齢化が進み、経済成長率を人口1人当たりの指標で比べるのは「誤解を招きやすくなっている」と主張、15~64歳とされる生産年齢人口に焦点を当てて分析した。

 世界金融危機があった2008年から19年までを対象にすると、生産年齢人口1人当たりの年平均の成長率は日本が1.49%で、米国(1.34%)などを上回り、G7首位となった。

 日本はモノやサービスの付加価値を生み出す力が弱く、労働生産性はかねて低いと指摘されるが、成長率で比較すると、付加価値の向上で健闘している可能性を示している。

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