コクヨの神鳥遼人さん。「見開きで使えるように左右のページで繋げたドット罫線のほか、学習時間を記せる欄も設けました」

 「ノート学習のストレスを少しでも減らしたい」。コクヨが2023年12月に発売した「キャンパス フラットが気持ちいいノート」が好評だ。ページの真ん中が膨らまないため、手で押さえる必要がなくて使いやすい。商品開発を担当するコクヨの神鳥遼人(かみとり・はると)さんに狙いを聞いた。(共同通信=増井杏菜記者)

 発売から半年の販売数量は計画の約20%増で推移している。希望小売価格は231円(2024年9月時点)。普段ノートを活用する学生の「開いた時に、真ん中部分が膨らむのが気になる」という声から生まれた。

 これまでもフラットになる商品はあったが質感にこだわったり、手作業があったりしてコストがかかり、990円と高かった。「学生が手に取りやすい価格に抑えるため、全て機械で作れるように工夫をこらしました」

 キャンパスノートは糸ではなくのりでとじる。従来品はページがばらけないように紙と背の部分を深くのり付けしていた。「のりを変え、従来より浅く塗って製本しました。不良品扱いの『背割れ』を防ぎつつ、フラットな開きを実現しました」

 開発には3年かけた。今ある機械での製造を目指した。「のり選びや塗る幅のミリ単位での調整、機械設定など100通り以上を試しました」

 顧客から「端まで字が書ける」「プリントが貼りやすい」という声が上がる。膨らみやすい最初のページを使わない人もいるが「1ページ目からしっかり平らになります」。神鳥さんは京都市出身、31歳。

ノートの中央部分が平らなコクヨの「キャンパス フラットが気持ちいいノート」

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