小野薬品工業は10日、韓国バイオベンチャーのLigaChem Biosciences(リガケムバイオサイエンス)と、固形がん治療薬の開発や販売権を取得する契約を結んだと発表した。小野薬品が契約一時金に加え、開発の進捗度合いなどに応じて最大7億ドル(約1040億円)をリガケムに払う。主力のがん治療薬「オプジーボ」のパテントクリフ(特許の崖)に備える。

リガケムはがん細胞に作用する抗体に抗がん剤を結合させて効き目を高める「抗体薬物複合体(ADC)」に強みを持つ。小野薬品とリガケムはADC技術を用いた創薬で幅広く協業する。

小野薬品のオプジーボの特許は2031年までに段階的に切れる。パテントクリフによる業績悪化を避けるため、新薬候補を持つ企業の買収などを進める方針を掲げる。

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