コメの概算金引き上げについて説明する小松会長(秋田市)

JA全農あきた(秋田市)は9日、県内に13ある全JAの組合長会議と運営委員会を開き、JAグループがコメを集荷する際に生産者に前払いする2024年産の集荷価格(概算金)を2000円引き上げることを決めた。8月29日に決定した概算金を短期間で大幅に改定するのは異例。

主要銘柄のあきたこまちなど、主食うるち米の全銘柄が対象。例えば、1万6800円だったあきたこまち(1等米、1俵=60キログラム)の場合、1万8800円になる。

運営委員会の小松忠彦会長は見直しの理由について、作況指数に比べ実際の収量がその7〜8割にとどまる見通しがある点に触れた。「収量が落ちれば相対的に生産者の所得も落ちる。再生産できるようにその(落ち込む)分も年内に支払い、来年への生産意欲をかき立てられるようにしたい」と述べた。

このほかにも、JA以外の集荷会社がJAグループよりも高い買い取り価格を生産者側に提示するなど、集荷競争が激しくなっている状況が背景にある。

概算金はJA全農の各都道府県本部などが毎年、新米の収穫を前に需給環境や生産コストを踏まえて決める。国内のコメ流通の5割を握るJAグループが示す概算金は市場の基準価格となり、JA以外の集荷会社なども生産者からの仕入れ価格の目安にしている。

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