心斎橋パルコ(左)と大丸心斎橋店

J・フロントリテイリングが8日発表した2024年3〜8月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比2.3倍の290億円だった。大丸と松坂屋ホールディングスの経営統合で07年にJフロントが発足して以降、同期間として最高益となった。インバウンド(訪日外国人)や富裕層による高額品の購買が好調に伸びた。

店舗の建物を所有する持ち分法適用会社の子会社化に伴う株式段階取得差益も純利益を押し上げた。

売上高にあたる売上収益は9%増の2093億円、売上収益から売上原価と販管費を除いた事業利益は61%増の324億円だった。賃上げに伴い人件費などが増えたが、増収効果や広告宣伝費の減少などで補った。

百貨店の直営店合計の売上高は13.7%増。新型コロナウイルス禍前の19年同期を12.7%上回った。訪日客が多い大丸心斎橋店(大阪市)や23年に「ルイ・ヴィトン」が出店した同札幌店(札幌市)が好調だった。

大丸松坂屋の免税売上高は前年同期比2.4倍の603億円と同期間で過去最高だった。中国客の比率が64%と前年同期の47%から上がった。国内客向けでは富裕層の外商客を中心に高級ブランド品や時計など高額品が売れた。

商業ビル「パルコ」の既存店売上高は18%増で、19年同期比では4.8%増だった。日本のキャラクター雑貨店がある渋谷店(東京・渋谷)や心斎橋店(大阪市)が訪日客の売り上げを伸ばした。

25年2月期通期の純利益は22%増の365億円と14年2月期(315億円)の最高益を更新する見通し。小野圭一社長は8日の決算会見で、訪日客消費の先行きについて「下期は年末年始や春節でもう一段ドライブがかかり前年より伸びるとみているが、不透明な部分が多い」と話した。

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