第一三共は4日、主力のがん治療薬「エンハーツ」について、乳がんの対象を広げる一部変更の承認を国内で申請したと発表した。6月に学会発表した最終段階の臨床試験(治験)結果に基づく。欧州や米国でも申請中で、エンハーツの販売拡大につなげる。
エンハーツはバイオ医薬品とがん細胞を攻撃する薬剤を組み合わせた抗体薬物複合体(ADC)の1つ。乳がん患者のがん細胞の表面に現れるたんぱく質「HER2」を目印にして攻撃する。今回の申請では、HER2の発現がより小さなレベルにとどまる患者にも使えるようにした。
同様の申請は8月に欧州で、10月1日には米国でも受理されたと発表している。2025年3月期のエンハーツの売上高は前期比28%増の5084億円を見込む。
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