名古屋市内の主要百貨店4社5店が1日に発表した9月の売上高(速報値)は、前年同月比5%増の349億円だった。記録的な残暑で夏素材の衣服の販売やビアガーデンの催事などの需要が続いている。一方で、ブーツなど秋物の実需品の動きが鈍った。インバウンド(訪日外国人)の需要が落ち着いており、1日から始まった中国の国慶節(建国記念日)に期待を寄せる。
JR名古屋高島屋は前年同月比7%増の161億円で、9月としては過去最高だった。レースなどの薄手で透き通るような生地「シアー素材」などを使ったブラウスなどが大きく動き、婦人服の売り上げは同11%増だった。一方、秋物のブーツは前年割れだった。
松坂屋名古屋店の売上高は前年同月比2%増の92億円だった。ホテルやレストランなどで外商顧客向けに国内の人気ブランドのジュエリーの販売催事を実施し売り上げをけん引した。
名古屋三越の栄店、星ケ丘店の両店を合わせた売上高は前年同月比6%増の66億円だった。栄店では晴雨兼用傘を含む日傘の需要も高く、販売を2週間以上延長し売り上げを底上げした。
名鉄百貨店の入店客数は前年同月を上回ったものの、昨年の大口販売があった反動が出た。ただ、ビアガーデンの売り上げは前年同月比18%増と好調だった。
名古屋の百貨店各社はインバウンドの売り上げが為替変動などを理由に一巡したと嘆く。中国の建国記念日を祝う大型連休である国慶節が1日に始まり、JR名古屋高島屋の担当者は「航空便の数なども戻りつつあるので、購買増に期待している」と話した。
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