関西電力送配電は1日、電柱上の変圧器に有害物質の混入を把握したが適切に処理せず、国などへ虚偽の報告をしていたと発表した。基準を超えたポリ塩化ビフェニール(PCB)の混入を認識したのに約20年報告しなかった事例があった。当時の配電部門トップで、虚偽の報告を指示していた高市和明副社長が同日付で退任した。

関電送配電は1998年、環境汚染や健康被害の恐れがあるPCBが基準値を超えて混入している変圧器の存在を確認していた。その後、2018年の台風21号で変圧器から絶縁油が漏れた際に低濃度PCBの混入を改めて認識した。翌年、国や大阪府へ報告したが、このときに初めて把握したと説明していた。

関電送配電の白銀隆之社長は同日開いた記者会見で「従業員の範たる役員がこのような事態を招いたことを重く受け止め、心からおわび申し上げる」と陳謝した。PCBはかつて変圧器の絶縁油などに使われてきた。基準値を上回るPCBが混入した変圧器は2026年度までに新品と交換するなどして処分する必要がある。

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