開発した集電体は樹脂や金属を使った薄い膜のような素材

村田製作所は30日、リチウムイオン電池の出力を最大4倍に高めることができる「ポーラス集電体」と呼ぶ素材を開発したと発表した。金属や樹脂の薄い膜に小さな穴が開いた構造で、従来品より電気の抵抗を減らせる。米スタンフォード大学と共同開発し、同社が製造する電池などでの実用化を目指す。

集電体はリチウムイオン電池の内部で、発生した電流を集める役割を果たす。従来の技術では電池の容量を大きくするために集電体を厚くすると抵抗が増えるという課題があった。新技術ではスタンフォード大の研究成果を生かし、イオンを通しやすい樹脂などを使い抵抗を半分ほどに減らしたという。

抵抗が少ないため、電池の出力が高まるだけでなく充電時間が短くなる効果も期待できるという。村田製作所は2017年にソニーから事業買収するなどして電池事業を育成している。

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