アジア企業統治協会(ACGA)は26日、日本の上場企業は原則として政策保有株をゼロにすべきだとの提言を発表した。政策保有株の縮減を進めるため、企業に明確な計画の策定や保有理由、売却益の使途の開示などを求める。政策保有株を持つ企業に資本効率や企業統治の改善を促す。
約30社の機関投資家や年金基金と共同で提言した。提言では、取締役や監査役が政策保有株を管理するよう求めた。具体的には、政策保有株を純資産の5%以上保有している場合、独立社外取締役や監査役で構成した特別委員会を設置することを推奨する。取締役会や監査役会が保有株の売却計画や方法、売却益の資金使途を精査し、開示することも提唱した。
政策保有株を売却しても商取引で不利益や損失が生じないと明示することも盛り込んだ。政策保有株の持ち合い先に対する議決権行使の方針を定め、行使結果や根拠について開示することも求める。
政策保有株は取引関係の維持や強化などを目的に企業が保有する株式だ。資本効率の悪化や企業統治の形骸化を招くとして、機関投資家などは売却を求めている。
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