日本政策投資銀行新潟支店は30日、佐渡観光交流機構(新潟県佐渡市)と共同で佐渡島の観光をビッグデータを使って分析した。「史跡佐渡金山」訪問者による他の観光施設の訪問状況は、距離がある島南部の小木付近の施設にも3割前後が訪れた一方、至近の施設が半数以下だった。同支店は「個人客は人気スポットが分散している」として、周遊の重要性を指摘した。
auのスマートフォンユーザーの位置情報を基にした「KDDI Location Analyzer」を使って分析。来訪者数についてはデータを基に拡大推計した。
2023年度の主要施設の来訪者数は史跡佐渡金山が11.5万人と、島全体(約28万人)の約4割で最多だった。ほかに佐和田海岸(8.1万人)、たらい船などの「力屋観光汽船」(7.4万人)、「北沢浮遊選鉱場」(6.5万人)などが目立った。
佐渡金山の前後に訪れたスポットを分析すると、力屋観光汽船(佐渡金山を訪れた人の32.3%が訪問)や宿根木(同29.2%)といった車で1時間程度かかる小木にも多くの人が足を運んでいることがわかった。一方、車で約5分の北沢浮遊選鉱場(40.9%)、15分程度の「尖閣湾揚島遊園」(37.7%)は4割程度にとどまった。
年齢性別でみると30〜40代は「佐渡西三川ゴールドパーク」が高く、20代は「佐渡廻転寿司弁慶」が目立った。20代と50代の女性では、景色を楽しめるベーカリーカフェの「しまふうみ」が人気だった。50代以上の女性は佐渡金山以外に2.5カ所前後のスポットを回っているのに対し、20〜30代の男性は1.6カ所と平均(2.1カ所)を下回った。
島内での宿泊数は平均1.6泊だった。エリアを変えて2泊以上している観光客が一定数いるようだ。
政投銀新潟支店は団体客は定番のスポット・ルートが確立している一方、個人客は分散傾向で定番ルートも確立していないと指摘。その上で「佐渡島の魅力を効率的・効果的に体験してもらうための周遊、という観点で観光施策を意識することが有用」としている。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。