26日の東京株式市場で野村不動産ホールディングス(HD)株が大幅反発し、一時前日比333円(8%)高の4461円まで上昇した。およそ17年ぶりの高値水準となる。前日の取引終了後に発表した2024年3月期の連結業績と株主還元の強化を好感する買いが集まった。

終値は298円(7%)高の4426円。売買代金は前日比で8割超増え、商いを伴って急伸した。

24年3月期の連結純利益は前の期比6%増の681億円と最高益を更新した。分譲マンションの販売が好調だったほか、都市開発部門も堅調に推移。25年3月期も好調な住宅部門が収益をけん引し、純利益は前期比3%増の700億円を見込む。

株主還元も強化する。25年3月期の年間配当は165円と前期から25円増やす。今期から株主資本配当率(DOE)4%を満たす水準を下限とする方針も設定。大和証券の増宮守シニアアナリストは「安定的な配当を目指すとしてDOEの基準を設けたことが好感された」とみる。

予想PER(株価収益率)は10倍台と、三井不動産(19倍台)や三菱地所(21倍台)など競合大手と比べて割高感はない。SMBC日興証券の田沢淳一シニアアナリストは中長期的な株価について「高配当が下支えし、じわじわと上昇傾向が続く」と分析する。

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