大型連休中に“一日平均8000件の求人”

コロナ禍で減らしたアルバイトの人数が回復していないうえ、ふだん働くアルバイトも大型連休中の勤務を敬遠するケースが多いため、外食産業を中心に、4月27日から5月6日までの間、人手不足に直面しています。

このため、大型連休期間中の「スポットワーク」と呼ばれる単発のアルバイトの求人が急増していて、仲介サービス行う「シェアフル」によりますと、4月27日から5月6日にかけて一日平均で8000件の求人が出されています。

直前で働ける人を募集するため、求人はさらに増えるとみられ、この会社では、去年の大型連休と比べると2倍近い求人が出るとみています。

時給や交通費を割り増して働く人の確保を目指す動きも目立っていて、「シェアフル」の横井聡社長は、「去年はまだ新型コロナの規制があったが、ことしはなくなっていて、どれぐらいの人出があるか企業も読みにくく、一日単位で働ける人が求められている」と話しています。

連休中の働き手確保 「スポットワーク」にも頼る居酒屋

居酒屋などを全国で展開する会社では、「スポットワーク」でアルバイトを募集して、大型連休中の働き手の確保に努めています。

このうち東京 足立区にある店舗では、ふだん働いている学生などのアルバイトが帰省したり旅行に出かけたりするため、シフトを組むことが難しい状況になっています。

系列店のスタッフに応援に来てもらうなどしていますが、それでも人手が足りない時間帯は「スポットワーク」のアルバイトに頼っています。

片付けや洗い物などの比較的簡単な仕事を担当してもらい、その分、従来から働くスタッフが接客に重点を置けるということです。

はなの舞 北千住店の小倉敬将店長は「もう少し人手があれば、お客様を満足させられるという部分で、スタッフが足りないことがあります。スポットで働いてくれるアルバイトはそこの手助けになってくれる存在と受け止めています」と話していました。

大型連休後に全店一斉休業も “従業員のリフレッシュを”

多くの来客が見込まれ、大型連休中は休みにくい外食産業の中には、連休後に全店を一斉に休業し、従業員のリフレッシュをはかる動きも出ています。

このうち回転ずしチェーン「スシロー」の運営会社は、5月14日と15日の2日間、全国にある600余りの店舗を一斉に休業します。

この会社では、大型連休中に働く従業員は確保できていますが、期間中は客の増加によって従業員の業務負担も増すことが見込まれるため、リフレッシュ策として一斉休業を決めました。

スシロー江坂店の上野崇志店長は「連休は忙しいと思いますが、そのあとに休みがあるので、楽しみを持ちながら一生懸命仕事ができます」と話していました。

一斉休業によって2日間の売り上げがなくなっても、こうした対応をとることについて、運営会社「あきんどスシロー」竹田耕介営業支援課長は、「休業日があることで、大型連休中に頑張ってもらい、そのあとに多くの従業員に心身ともにゆっくり休んでもらえると思います。2日間休むことで、お客様に今まで以上にいいサービスを提供できると考えています」と話していました。

こうした動きは他の外食チェーンでも出ていて、いずれも和食レストランを運営する、▽「木曽路」が連休後の平日の5月7日と8日に全193店舗で一斉休業に休業するほか、▽「サガミ」も連休の間にある平日の5月1日にほぼすべての全国およそ240店舗で休業に踏み切ることを決めています。

人手不足が深刻化する外食業界では、従業員の負担軽減や働きやすい環境整備のため休業を選択する広がっています。

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