近畿日本鉄道は20日、24年ぶりとなる新型の一般車両「8A系」を奈良市の西大寺車庫で報道陣に公開した。使いやすさや安全性にこだわり、人にやさしい車両を目指し、「日常の華やかさ」がコンセプトだ。奈良線や京都線などで10月7日にデビューする。
ベビーカーや大きな荷物を持った乗客向けのスペースが「やさしば」だ。緑色のシートで各車両の乗降扉付近に2カ所設けた。床面にはキャリーバッグやスーツケースなどのキャスターを引っかけて動きにくくするストッパーを付けた。
座席は混雑状況などに応じてロングシートとクロスシートを切り替えることができる。ドアには夏期や冬期の車内保温のために、乗客が個別に開閉できるスイッチを同社の鉄道車両では初めて採用した。ドア上部の液晶ディスプレーは、42インチの大型を設置した。
つり革も従来の真円ではなく、横長の楕円形。手のひらの圧迫感を軽減し、握る部分も力を分散させるためだ。同社鉄道本部技術管理部の喜多陽平課長は「やさしさ、使いやすさというコンセプトをベースに、よりよい車両にしていくために各仕様にこだわった」と説明した。
まず10月から奈良線、京都線、橿原線、天理線に4両12編成を導入し、25年度には大阪線、名古屋線、南大阪線にも投入を予定。合計で29編成に拡大する。
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