エムスリーは346億円を投じエランのTOBを実施する

医療情報サイト運営のエムスリーは19日、入院生活用品レンタルのエランにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表した。買い付け予定数の上限は55%で、連結子会社化を目指す。エランの上場は維持する予定という。両社のもつ医療と介護の顧客基盤に相乗りし、サービスの拡充を目指す。

買い付け価格は1株あたり1040円(19日終値は852円)で、買い付け代金は約346億円。期間は9月20日から10月21日まで。

エムスリーは同日付でエランの桜井英治会長執行役員最高経営責任者(CEO)をはじめ50.1%にあたる株式でTOBへの応募で合意した。エランは同日の取締役会でTOBへの賛同を表明した。TOBに応募するかは株主の判断に委ねる。

エムスリーは業績への影響について「今後精査した上で必要な場合には速やかに開示する」とした。エランは「TOBの影響は業績予想に織り込んでいない。今後必要があれば開示する」としている。

エランは医療機関や介護施設で2000以上の顧客を抱える。入院に必要な衣類やタオルのレンタル事業を国内で展開する。エムスリーは医療機関向けの転職サイトや患者向けの健康相談サービスなどを手掛け、シナジーを見込んでいる。

海外事業でも連携する。エランはインドやベトナムでランドリー会社や人材派遣会社に出資している。エムスリーは海外での情報収集や営業協力を見込む。

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