日本銀行は26日、金融政策決定会合を開き、現在の政策を維持することを決めた。銀行間で短期資金をやり取りする金利(無担保コール翌日物)を0~0.1%程度に誘導する。日銀は前回3月の会合で約11年にわたる大規模な金融緩和を転換した。追加利上げの判断に向け、春闘の賃上げが所得や物価に波及するかを見極めるとみられる。
日銀は3月、物価上昇率2%目標の実現が見通せる状況になったとして、マイナス金利政策を解除し、17年ぶりに利上げした。植田和男総裁は、2%目標を達成する「確度」がさらに高まれば追加の利上げを検討する考えを示しており、市場では追加利上げの時期が焦点となっている。
日銀は3カ月に1度見直す「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)をあわせて公表。2026年度の物価上昇率の見通しを初めて示し、1.9%とした。24年度は2.8%、25年度は1.9%とし、それぞれ上方修正した。22年度から5年続けて、2%前後に達する見通しだ。この結果を受け、今後、追加利上げに踏み切るとの観測が強まる可能性がある。
足元では1ドル=155円台まで円安が進んでおり、植田総裁は、円安が賃金と物価の循環に無視できない影響を与えそうなら、利上げを検討する姿勢を示している。
26日午後に記者会見し、政策の維持を決めた理由や円安の影響について説明する予定だ。(神山純一)
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