東京地下鉄(東京メトロ)は18日、車両の車輪と車軸からなる部品「輪軸」の組み立て工程で、車軸の車輪への圧入力値が社内基準値を225本で超えていたと発表した。同社が保有する車両輪軸の2%に相当する。検査値の書き換えも判明した。一部列車の運行を一時停止していたが安全性が確認されたため、現在は通常ダイヤで運行している。

輪軸を巡ってはJR貨物が10日、基準値を超す圧力がかかった場合、基準値に収まったように検査記録を改ざんしていたと発表。東京メトロも12日に関東運輸局から緊急点検の指示を受け、全9路線で運行する約2700両の約1万1000軸について調べたところ、13日に保有車両の一部で圧入力値の基準値超えとデータの書き換えが判明した。

車軸の車輪への圧入力値が大幅に超過すると、車軸や車輪に傷がつく恐れがある。東京メトロのグループ会社が車両の保守管理を受託している埼玉高速鉄道と東葉高速鉄道の車両の計8軸でも基準値超えがあった。

東京メトロは圧入力値が基準値を超えていても、日本産業規格(JIS)では「上限基準値の+10%以内」と記載があることを理由に「一定の範囲内なら問題ないとの認識があった」とする。検査値の書き換えは詳細を調査中としているが、「2011年以降には書き換えが発生していたと認識している」と説明した。書き換えの手順も現場で伝承されていたため「書き換えについて違和感や疑問を持たなかった」とする。

東京メトロは圧入力値が基準値を超えた輪軸について、超音波検査で安全性の確認を進めた。一連の問題で14日早朝の南北線の1編成を運休していたことを明らかにした。現在では全ての路線で通常通りに運行している。

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