リクルートは17日、2023年度のスタートアップへの転職者数が15年度に比べて3倍に増えたと発表した。なかでも40歳以上の転職者数は7倍に増えた。人材育成にかけられるコストが少ないスタートアップでは、即戦力になる転職者の需要が大きい。給与水準の上昇などが転職者の増加につながっている。
転職支援サービス「リクルートエージェント」を通じて、求人データと転職者データとまとめた。15年度の転職者数、求人数を1としたときの各年度の数値を算出した。設立10年以内で株式未公開の企業のうち、大企業の関連企業などを除いた企業をスタートアップと定義した。
転職時に高い年収を提示するスタートアップが増えている。23年度は400万円未満が15年度比25.9ポイント減の41.5%だったのに対し、400万円以上600万円未満が15.2ポイント増の40.2%、600万円以上800万円未満が6.7ポイント増の12%だった。
スタートアップによる求人数は15年比7倍で、転職者数は増えているものの需要には追いついていない。リクルートの新堂尊康氏は、働き方や給与などに不安を持つ求職者が多く、人材確保に向けて会社の情報を分かりやすく発信することが重要だと分析する。
政府は22年に「スタートアップ育成5か年計画」を発表し、スタートアップへの投資額を27年度に10兆円規模にする目標に掲げている。全国的な人手不足のなか、働き手の確保が課題となる。
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