鹿島は17日、JFEエンジニアリング傘下のJ&T環境(横浜市)などと建設現場で発生するプラスチック梱包材のごみをリサイクルして土のう袋を作ったと発表した。建設現場ではごみにほこりが付きやすく、樹脂繊維に加工して土のう袋に再生するのは難しい。環境規制の高まりを見据え、焼却処分の削減とリサイクル品調達を進める。
都内の現場で回収したごみをJ&T環境が破砕・洗浄して原料化。ブルーシートなどのリサイクルを手掛ける萩原工業(岡山県倉敷市)が岡山県内の自社工場で新品のプラスチックと混ぜて樹脂繊維を製造し、土のう袋を織った。リサイクル原料が多いと強度が落ちるため、原料のリサイクル率を15%として十分な強度を確保した。
樹脂繊維は機械で織るため、原料の異物を除去することが欠かせない。リサイクル原料の洗浄・ろ過を徹底して大きさが数十マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル程度のほこりを取り除いた。8月に5万枚を製造し、量産できることを確認した。
日本建設業連合会(東京・中央)が21年に建設現場由来のプラごみを調べたところ、汚れがないビニール系のプラスチックが体積ベースで首位を占める。塩ビ管や汚れがない発泡スチロールより多い。現在は二酸化炭素(CO2)を排出する焼却処理が多い。リサイクルの推進が課題となっている。
ほこりなどを取り除く手間が大きいためコストが膨らみやすい。土のう袋が建設現場で水のせき止めや資材の運搬に使う必需品であることを踏まえ、「率先して建設系廃プラの活用先を提案していく」(鹿島の担当者)。発注者が環境配慮を進めることを念頭にリサイクル製品を用意する。
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