設備の図面や写真、修理・運転に関する履歴を集める(ENEOSの川崎製油所)

ENEOSは12日、機器や配管の図面など製油所のデータを仮想空間に集約し、製油所の運転や定期修理を効率化すると発表した。10月から仙台製油所(仙台市)や川崎製油所(川崎市)など4カ所に順次取り入れ、2026年度までに全9カ所の製油所で運用する。

ノルウェーのソフトウエア開発会社コグナイトが手がけるデータ管理基盤を使う。生産設備を仮想空間に再現する「デジタルツイン」を構築。設備の図面や写真、修理・運転に関する履歴を集める。

例えば老朽化した製油所のトラブルを減らすために配管の新たな保全計画をつくる際、過去に修理した履歴や図面を集める必要があった。これまでは紙や個別の電子ファイルで管理していて探すのに時間がかかっていたが、一つのプラットフォームから参照できるようにする。

将来は蓄積した稼働・修理データを人工知能(AI)で分析し、効率化や運転の最適化につなげる。製油所の操業トラブルを減らすほか、運転員のノウハウの継承に役立てる。

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