E字型の回転レーンを店内に設置する(店舗のイメージ)

くら寿司は12日、2025年国際博覧会(大阪・関西万博)への出店概要を発表した。自社で最多となる338席の大型店舗で、自社最長の約135メートルの回転レーンを備える。持続的な漁業に貢献するため、通常なじみが薄い低利用魚をすしネタとして提供するほか、万博参加国にちなんだメニューも用意する。

25年4月13日から10月13日まで万博開催期間を通して営業する。回転レーンはアルファベットのEの字型に店内に設置する。白木のテーブルや畳シートの座席など日本文化を強調する。外観は蔵をイメージし、外壁には廃棄される赤貝の貝殻約34万枚を再利用する。すしとサステナブル(持続可能)をかけあわせた「スシテナブル」をうたう。

店舗の外壁には廃棄予定の赤貝の貝殻を再利用する(イメージ)

通常店舗でもニザダイなど低利用魚のすしを出しており、万博店舗でもそのときの漁獲量に応じて提供する。人工知能(AI)で餌やりのタイミングなどを調節して資源の無駄なく育てた「スマート養殖魚」のすしも販売する予定だ。

万博に参加する約80の国・地域にちなんだ料理もサイドメニューとして提供する。一部メニューは各国の大使館と連携しながら材料や味付けを工夫し、現地の味を忠実に再現するという。

内装に寿司のオブジェを採用する(イメージ)

回転ずしは1970年の大阪万博の会場前に出店されたことがきっかけで国内に広がった経緯がある。くら寿司の岡本浩之取締役は12日の記者会見で、回転レーンですしが運ばれる驚きと楽しさを改めて提供したいとしたうえで「食事を通して、国内外の人が世界中の国への興味を深めてもらえたらうれしい」と語った。

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