米労働省が11日発表した8月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で2.5%の上昇となった。市場予想(2.6%上昇)を下回り、5カ月連続で鈍化した。物価高(インフレ)の落ち着きを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)は今月17、18日に開く会合で、このインフレ局面では初となる利下げを決める見通しだ。
CPI上昇率は2022年6月、約40年ぶりの高水準となる9.1%を記録。その後はエネルギー価格の下落やFRBの利上げなどで、インフレ率は徐々に低下してきた。今年7月にはCPI上昇率が3年4カ月ぶりに2%台まで低下。FRBが重視するエネルギーと食料品を除いた8月のCPI上昇率は3.2%で、前月から横ばいだった。
FRBのパウエル議長は8月、米西部ワイオミング州ジャクソンホールでの講演で、「政策を調整する時がきた」と発言。9月の利下げをほぼ明言した。米国では労働市場の減速傾向もはっきりしつつあり、FRBはインフレ抑制から景気の下支えに軸足を移そうとしている。通常の2倍にあたる0.50%幅の利下げに踏み切るとの見方も一部にある。(ワシントン=榊原謙)
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