倉庫内をモビリティー機器に乗って移動することで作業者の負担を軽減する(写真は電動車いすの既存機体)

日本通運と電動車いすのWHILL(ウィル、東京・品川)は、倉庫で働く人専用のモビリティー機器を開発したと発表した。座ったまま荷物を運ぶことができる。その場で回転できるようにするなど狭い倉庫での作業でも対応できるようにした。人手不足が慢性化する物流業界で、働き手の負担を軽減する。

日本通運が機能の提案や運用実験を担い、ウィルが機体を開発した。2025年をメドに実用化する。日本通運で導入するほか、敷地面積が広い海外の倉庫向けの需要を見込む。

回転する際に必要なスペースの半径を45センチメートルに抑えた。座面が昇降したり左右に回転したりするため、高い棚から荷物を取り、その場で反転して通路を引き返すことができる。

ウィルは2012年設立で、近代的なデザイン性のある電動車いすの開発に強みがあり、近距離移動に適した「パーソナルモビリティー」として約30カ国・地域で販売やレンタルを手がける。空港内では20年に自動運転する機体が導入された。日本通運とは2月から、ウィルの電動車いすを使った倉庫作業の負担軽減に取り組んできた。

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