NTTドコモは9日、現実と仮想空間を融合するクロスリアリティー(XR)端末を今秋に発売すると発表した。軽量の眼鏡型のデザインで長時間でも使いやすくした。普及に向け、コンテンツ開発などで連携する法人の募集も始める。産業用メタバース(仮想空間)市場の開拓を狙う。
XR端末「MiRZA(ミルザ)」の希望小売価格は24万8000円。重量は約125グラム。レンズ部分が透明なディスプレーになっており、視力補正にも対応する。
端末をスマートフォンと無線接続することで、スマホの画面を目の前の任意の空間に大画面で映すことができる。資料作成や複数画面での作業の効率化を見込める。文字起こし・通訳機能も備え、140以上の音声言語をリアルタイムに目の前で通訳・字幕に変換できる。会議の際に役立つとみる。
端末はドコモ子会社のNTTコノキュー(東京・千代田)とシャープの共同出資会社であるNTTコノキューデバイス(東京・千代田)が開発した。全国のドコモショップや電子商取引(EC)サイトで取り扱うほか、法人に向けてはNTTコミュニケーションズが販売を担当する。
市場調査会社のSDKI(東京・渋谷)は、眼鏡型端末のような拡張現実(AR)と仮想現実(VR)のスマートグラスの世界市場は2036年に510億ドル(約7兆3100億円)と、23年比で3倍に拡大すると予想している。
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