同僚に迷惑をかけるので休みづらい――。こんな考え方は過去のものになりつつあります。2025年度からは、従業員300人超の中小企業も男性育休の取得率を開示することが求められます。子育てしながらでも働きやすい環境づくりに官民が知恵を絞っています。参考になる記事を選びました。(内容や肩書などは掲載当時のものです)

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帰属意識の向上にも

厚生労働省によると、23年度の男性の育休取得率は30%と前年度に比べ13ポイント上昇しました。事業所の規模別では500人以上の企業が34%で最も高く、5〜29人の企業は26%と最も低くなりました。

政府は男性の育休取得率を25年に50%の目標を掲げています。23年4月から1000人超の企業に実績値の公表が義務付けられましたが、25年4月には300人超の企業に広げます。

男性が育児に参加すれば女性の負担が減り、女性活躍や少子化対策につながると期待されています。

男性が育休を取ることは、企業への帰属意識の向上にもつながりそうです。内閣府の調査では、育休取得者の17%が「会社への好感度が高まった」、14%が「帰属意識が高まった」と答え、育休を取っていない人よりも高い結果となりました。

  • ・男性育休、中小企業も促進 業務の分散で取得しやすく
  • ・資生堂、男性の育休取得100%達成 理解促進策が奏功
  • ・男性育休、私の「分割」取得法 家族・職場の状況見極め
  • ・男性育休促進、企業に迫る 少子化打開・女性の負担減へ

企業・自治体が後押し

育休で会社を休むのは当たり前、という意識を行き渡らせるのは簡単ではありません。官民は手当や制度を充実させるなどして試行錯誤しています。

九州電力は、育休をカバーする同僚に「育児サポート応援金」を支給します。サッポロビールは育休取得者の業務を代行した社員に負担分をボーナスとして還元する「職場応援ポイント制度」を導入しました。

自治体は中小企業を支援します。長野県は24年から、男性社員が育休を取得した県内中小企業などに最大30万円を支給する制度を始めました。

  • ・九州電力、育休カバーの同僚に「応援金」 最大1.4万円
  • ・男性育休、中小企業も推進 同僚に最大月10万円の手当
  • ・長野県、男性が育休取得した中小に最大30万円
  • ・トヨタやソニーG、男性育休取得増加 補充人員や支援金
  • ・育休の業務代替手当、中小企業向け助成125万円に増額

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