ディスカウント店「好特売(ホットマックス)」に積み上げられる商品=8月、北京(共同)

 【北京共同】中国経済に「価格破壊」の波が押し寄せている。不動産バブルは去り、景気の冷え込みが消費者の懐を直撃。激安店に人が殺到し、日用品から火鍋、高級酒「茅台(マオタイ)酒」まで価格下落が進む。かつて日本も苦しんだデフレ圧力の暗雲が社会を漂う。

 「ようこそ特売天国へ」。北京にあるディスカウント店「好特売(ホットマックス)」の店内はカラフルなポップ広告が随所に飾られ、日本の「ドン・キホーテ」を思わせる。賞味期限が迫った食品や在庫処分の日用品が並び、最大9割引きという激安ぶりが人気だ。

 値下げの波は外食産業にも広がる。火鍋チェーン大手「海底撈(ハイディラオ)火鍋」。店内に無料のネイルサロンを設けるなど充実したサービスを売りに事業を拡大してきたが、景気悪化で集客力が低下。新たに格安店「シャオハイ火鍋」を立ち上げた。

 最近の中国の消費者物価指数(CPI)は前年同月比の伸び率がゼロ近くで推移し、「失われた30年」と呼ばれる長期停滞を経験した日本の二の舞いを懸念する声が日増しに強まる。

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