米労働省が6日発表した8月の雇用統計は、景気動向を反映しやすい非農業部門の就業者数(季節調整済み)が前月より14万2千人増えた。市場予想の17万人増を下回った。失業率は4.2%と前月から0.1ポイント改善した。コロナ禍後に続いた米国の労働市場の過熱感は収まりつつある。

 物価高(インフレ)の鈍化や、インフレと密接な関係がある雇用情勢の弱まりを受け、米連邦準備制度理事会(FRB)は今月17、18日にある会合で、今回のインフレ局面で初となる利下げに踏み切るとの見方が強まっている。FRBは今回の雇用統計や、11日発表の米消費者物価指数(CPI)などの結果も踏まえて、利下げを決める見通しだ。

 前回7月の雇用統計では、就業者数の伸びが市場予想を大きく下回る11万4千人増で、景気の急速な悪化への警戒感も出た。今回の雇用統計で、7月の伸びは8万9千人増にさらに下方修正された。(ワシントン=榊原謙)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。