ロッテや不二製油は、カカオ殻由来のバイオ炭をカカオ農園に散布し、土壌改良や脱炭素の効果を調べる試験をガーナで実施する。チョコレートの原料となるカカオの実の外殻は従来、農園に放置されて腐敗していた。同国のカカオ収穫量は天候不順や病虫害などの影響で大きく減っている。カカオ外殻をバイオ炭にして散布することで、カカオ農家の生産性向上などを後押しする。
ロッテと不二製油のほか、三菱商事グループでカカオ原料の輸入などを手掛けるMCアグリアライアンス(東京・千代田)など計4社で試験する。
カカオ豆の外殻は、収穫後に農園などに放置されることが多い。腐敗して病虫害の温床になったり、温室効果のあるメタンが発生したりすることもある。
4社の試験では、カカオの実の外殻を燃焼してバイオ炭にして砕き、カカオ農園に散布する。バイオ炭には様々な土壌改良効果が知られている。散布することで土壌が肥沃になり、化学肥料や農薬の削減、生産性向上といった効果が期待される。
アフリカ大陸の土壌は酸性の赤土で、アルカリ性のバイオ炭をまくことで土壌をカカオの生育に適した中性に矯正できる効果も見込める。バイオ炭にして土壌に散布することで、脱炭素の効果も期待できる。
試験は25年9月末までに効率的な外殻の集荷や炭化、散布方法を検証し、土壌改良効果も調べる。良好な結果が得られた場合、小型バイオ炭製造設備の導入や脱炭素効果を検証するフェーズに移る。
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