大洗町の国井豊町長㊨がJAEA大洗研究所の吉武庸光所長に安全対策工事を認める文書を手渡した(6日、茨城県大洗町)

日本原子力研究開発機構(JAEA)の高速実験炉「常陽」を巡り立地自治体の茨城県と大洗町は6日、再稼働に向けた安全対策工事の実施を了解したと発表した。工事の了解をもって再稼働に必要な地元手続きは事実上完了し、JAEAは2026年度半ばの運転再開を目指す。

常陽は原子力発電所の使用済み核燃料からプルトニウムなどを取り出し、再利用する「核燃料サイクル」の一角を担う。1977年に運転を始めたが、装置トラブルで07年から停止していた。再稼働が実現すれば、国が次世代原子炉と位置づける高速炉の研究開発が前進する。

大洗町の国井豊町長は6日、JAEA大洗研究所の吉武庸光所長に工事を了解する旨の文書を手渡した。国井氏は「安全最優先でしっかりと計画通りに進めてほしい」と要望した。吉武氏は工事の進捗に関する情報を地元と共有する方針を示した。

JAEAは県や大洗町と結ぶ原子力安全協定に基づき、安全対策工事の着工前に地元自治体の了解を得る必要があった。協定は再稼働時には自治体側の事前了解を求めておらず、工事の了解で再稼働も事実上認めたことになる。

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