セブン&アイ・ホールディングス(HD)は6日、買収提案を受けていたカナダのアリマンタシォン・クシュタール(ACT)への回答書簡を公表した。セブンの企業価値について「『著しく』過小評価している」と指摘したほか、米国競争法上の問題を念頭に「複数の重要な課題について、適切に考慮されていない」と述べた。ACT側の反応が次の焦点だ。

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6日付でセブンの取締役会からACTへ書簡を送付した。セブンはACTからの提案について「ステークホルダーの最善の利益に資する提案ではない」と指摘。「実効性の伴う協議を行うだけの根拠・材料を提示していない」と強調した。

セブンは「株主およびその他のステークホルダーにとって最善の利益をもたらすいかなる提案にも真摯に検討をする用意がある」とも伝えた。ACTが買収額などの条件を変更した際には再度、提案内容を検討する方針だ。ただ、仮に買収額などが引き上げられるなどしても「さらなる協議が必要」としている。

書簡ではACTからの買収額が1株14.86ドルで現金で全株式を取得する内容だったことも判明した。提案があったとみられている7月中下旬当時の為替レートで1株2200〜2400円程度となり、買収総額は6兆円規模となる。初期提案を出した当時はプレミアム(上乗せ幅)が乗った価格だったが、セブン株上昇や円高進行で提案額は足元では割安となったとみられる。

セブン&アイはACTからの買収提案を受けて、取締役会議長のスティーブン・ヘイズ・デイカス氏を委員長とする特別委員会を設置。5人ほどの社外取が複数回の会合を開き、セブン&アイの企業価値を適切に評価したものか、長期的な成長につながるものかなどについて検討を進めてきた。

セブンは8月19日に「ACT社から内密に、法的拘束力のない初期的な買収提案を受けていることは事実」とするコメントを発表した。ACTも同日、拘束力のない友好的な提案をしていると発表していた。実現すれば、海外企業による日本企業買収としては最大級となる見通しだった。

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