タイガー魔法瓶(大阪府門真市)の「魔法のかまどごはん」は、新聞紙をくべるだけでおいしいご飯が炊ける。開発した村田勝則(むらた・まさのり)さんは「最初は弱火、後から火力が高まり『はじめチョロチョロ中パッパ』の炊きあがりになる。キャンプで家族や仲間と食事作りを楽しむ時に役立ちます」と自信を見せる。(共同通信=川村剛史記者)
鍋とかまどのセットで、電気を使わない昔ながらの炊き方を再現。アウトドアや災害時の備えとして人気を集めている。2023年10月に発売し、2024年6月までに1万台を突破した。オンラインのみの販売で、価格は1万9800円。
まず、鍋に米と水を入れてかまどに置く。ねじって棒状にした新聞紙をかまどの穴に入れ、火を付ける。火を絶やさぬように作業を繰り返すとご飯が炊きあがる。粒が立ち、かむと甘みが広がる。
開発当初から、災害時にも役立つ商品を目指した。創業年に起きた関東大震災でも同社商品は壊れなかった逸話を持つ。
「いざという時でも、温かくておいしいご飯ができる。そのための商品にしたいと考えました」
新規開発を促す社内公募制度の審査を通り、開発を進めた。新聞紙のみでのおいしさの達成にこだわり、植木鉢や洗濯籠なども活用して70通りもの試作を重ねた。
「実際に使って味わえば、被災してもおいしいご飯が食べられると安心できる。ぜひ試してほしい」。奈良県出身。55歳。(価格は2024年8月時点)
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