ストライクなどM&A仲介大手が立ち上げた協会が主導する

M&A(合併・買収)仲介会社などでつくる一般社団法人、M&A仲介協会(東京・千代田)は、10月から悪質な買い手企業の情報を共有する制度をはじめる。事業継承を目的とするM&Aの件数は増加傾向にあるものの、買収後に現金などの資産を抜き取って失踪するなどの問題が明らかになっている。加盟社の約100社で情報を共有し、取引の適正化につなげる。

悪質な買い手企業であるかの判断は、加盟社からの情報提供に基づき協会が審査する。悪質と判断した場合、「特定事業者リスト」として登録する。加盟社に対象企業と取引しないよう呼びかける。

M&A調査のレコフデータ(東京・千代田)によると、国内のM&A件数は2018年以降、約4000件で推移している。非公表の案件も含めると年間1万〜2万件とされる。一方、買収後も売り手企業の経営者の個人保証の解除をしなかったり、現預金などの資産を抜き取って事業を放置したりする事例が発生している。

協会はストライクや日本M&Aセンターなど大手事業者を中心に21年10月に設立した。

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