東京電力HDの小早川智明社長(左)は4日、斎藤健経済産業相にデブリ取り出しの作業が中断した理由を報告した

東京電力ホールディングス(HD)の小早川智明社長は4日、斎藤健経済産業相と面会した。8月22日に福島第1原子力発電所2号機で溶融燃料(デブリ)の試験的取り出し作業を中断した要因について「単純作業の管理が十分でなかった」と報告した。

東電は取り出し作業の再開時期を明らかにしていない。小早川氏は面会後、記者団の取材に「できるだけ早期に再開したい」と述べた。東電によると5日に記者会見を開き、今後の工程について説明するという。

東電は2号機でデブリの取り出し着手を試みた初日、原子炉格納容器内に取り出し装置を押し込むパイプの接続順序を誤り、作業を中断した。

小早川氏は現場が高線量で作業員の重装備が必要な環境だと説明した。その上で「パイプ運搬などの準備作業について、東電を含め作業手順の確認が十分でなかった」と述べた。今後は作業工程の確認プロセスを精査し、東電が確認を実施するという。

経産相は「高線量下での作業では、準備を含めた細部に至るまで東電自らが目を配るべきだ」と指摘。「これまでの認識と行動を徹底的に改め、準備作業も含めて確認をしっかりするよう強く求める」と念を押した。

斎藤経産相は8月23日、小早川社長にミスの原因究明と今後の対応を1週間をめどに報告するよう求めていた。

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