セブン―イレブン・ジャパンは3日、手ごろな価格帯の「うれしい値!」商品を270品目に拡大すると発表した。おにぎりなど一部商品で販売していたが、好評なことから対象を弁当やお菓子、飲料、日用品などに広げる。物価高に伴う節約志向が強まっていることから、値ごろ感のある商品を増やし来店意欲を促す。
対象品はうれしい値のシールを付ける。以前から値ごろ感を打ち出した一部商品に「安心価格」の店頭販促(POP)をつけて販売していたが、3日からはうれしい値に統合する。
うれしい値は7月中旬に定番商品の「手巻おにぎり」シリーズで本格的に発売した。具材の原材料を見直すことなどで従来品より安くした「しゃけ」と「ツナマヨネーズ」の2品を発売した。2品を含めたおにぎり全体の販売数は開始前と比べ1割以上伸びたという。
うれしい値の対象製品はポテトサラダや牛乳、カップラーメンのほか、低価格のプライベートブランド(PB)「セブン・ザ・プライス」で洗剤なども順次売り出す。9月末には対象商品が270品目になる予定だ。
もともと、セブンは安いものから高い商品まで幅広くそろえる「松竹梅」戦略を取ってきた。少し値は張るものの上質な原料を使った「セブンプレミアム ゴールド」などの支持は高い。ただ、節約志向の強まりもあり、セブンの既存店売上高は今年に入り前年割れが目立つ。低価格品の拡充で顧客を呼び戻す。
セブンの羽石奈緒執行役員は「インフレによる生活防衛意識が高まっている。消費者心理の変化に対し、価値だけでなく値ごろ感のある商品を提供していく」と述べた。値下げの原資は、原材料の調達価格の見直しや製造工程におけるコスト削減などを想定する。
セブンの永松文彦社長は7月「顧客ニーズに対し低価格の訴求が半年遅れた。今後は『梅』に当たる商品にも力を入れる」と語っていた。コンビニは割高のイメージがありスーパーでまとめ買いする人は多い。消費者のイメージを薄めつつ、収益の伴った価格戦略が求められる。
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