価格競争の激化や印刷需要の低迷で印刷機向け樹脂の収益は悪化している

三井化学は2日、印刷機に使われるトナーの原料となる樹脂事業から撤退すると発表した。価格競争の激化や印刷需要の低迷で収益が悪化しており、2025年度上期に千葉県内の工場での生産を終える。生産能力や事業規模は非開示だが、業績への影響は軽微だという。

撤退するのは、印刷機で消耗品として使われているトナー用のバインダー。ポリエステル樹脂などが原料で、家庭用・業務用に茂原分工場(千葉県茂原市)で生産してきた。国内外競合との価格競争が激しくなっていたほか、ペーパーレス化や在宅勤務の浸透などで印刷需要は減少傾向にあり採算が悪化していた。

同社は中国の増産などの影響で石油化学関連事業の収益が落ち込んでおり、高付加価値品や競争力のある製品を中心とした事業構造への転換を進めている。

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